2020年 第3回イノチャン 問題分析編イノベーション編テーマ・課題

問題分析編課題

問題分析編の課題は以下のPDFをご覧ください。

※問題文の中で「しかしながらパリ協定で定められた1.5℃上昇シナリオを守るためには10年間に渡り毎年7.6%排出量を削減し続ける必要があります。」とありますが、7.6%とは温室効果ガスを二酸化炭素に換算した数値です。

課題の取り組み方の例

問題分析編の課題の取り組み方の例です。各課題を考えるにあたってのヒントや役割分担の方法、提出物のワークシート例が含まれています。取り組み方に悩んでいる場合に参考にしてください。必ずしも記載された方法を倣う必要はありません。

イノベーション編テーマ

「自分たちが気候変動というテーマに取り組む
動機付けをするためのアイデアを考える」

気候変動の現状

昨今、皆さんの身近でも気候変動の影響を実感する、あるいは耳にする機会も増えたのではないでしょうか?

 日本においても、気候変動が一因とも考えられる豪雨災害をはじめ、様々な異常気象が発生しております。

問題分析編では、気候変動が生活に与える影響、また生活や経済活動が気候変動に及ぼす影響に関して皆さんに調べて、考えていただきました。気候変動は、今や自然環境や生態系のみならず、社会や経済にも大きな影響を及ぼしていると言えます。

 また、今回の新型コロナウイルスの流行により、世界的に人々の移動が制限され消費行動が変化する中、二酸化炭素排出量の減少も見られており、2020年末まで移動制限が継続された場合7%程度減少する見通しだという論文も発表されています。一方、パリ協定で定められた1.5℃上昇シナリオを守るためには10年間に渡り温室効果ガス排出量を毎年7.6%削減し続ける必要があり、気候変動問題に取り組む難しさを浮き彫りにしました(地球温暖化と二酸化炭素の関係に関しては問題分析編を参照ください)。

現在、企業や政府をはじめとした様々な主体が気候変動対策に取り組んでいますが、全体としてなかなか強力な策を実行することができていません。

 

気候変動の取り組みが進まない理由

皆さんは気候変動問題に危機感を持っていますか。日常生活の中で何かアクションを起こしているでしょうか。

この問いにNoと答える人は少なくないでしょう。気候変動問題や地球温暖化を知らない人はいないのに、なぜ一人ひとりが身近な問題として危機感を持てないのでしょうか。

その理由の一つは、私たちが「今、困っていない」からです。

日本はツバルのように今日明日にでも自分の住むところが沈んでしまうというような心配はありません。また、多少豪雨が降っても日本のような先進国は被害を少なくする力やすぐに復旧する力を持っています。

もちろん、そんな「困っていない」問題に私たちが全くの無関心でいるわけではありません。しかしながら例えば夏にエアコンの温度を1度上げることは、自分が暑くて不快な思いをするのに対して、気候変動緩和に与える影響があまりにも小さく割に合わないと感じるため、実際の行動に繋がらないのでしょう。

イノベーション編テーマ

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)は米ニューヨークの国連本部で各国政府に気候変動対策の加速を呼びかけるなど、気候変動問題に対して精力的に活動しています。グレタさんの強い思いが、社会を動かす様子をニュースで見て知っている方も多いのではないかと思います。

気候変動のような大きなテーマに取り組むにあたっては、エアコンの温度を1度上げるという直接的アクションも大事ですが、それ以上に私たちがテーマに対して関心を持ち、自分ごととしてと考え続けることが重要です。そして、そのためのモチベーションが不可欠になるでしょう。

日本と同じ先進国の一つスウェーデン出身のグレタさんを何が突き動かしているのでしょうか?私たちとグレタさんの気持ちはどこが違うのでしょうか?

一人ひとりがモチベーションを持って気候変動に取り組む未来のため、2020年度大会では「私たちが気候変動というテーマに取り組む動機付けをするためのアイデア」を考えていただきます。