2019年 第2回イノチャン 本大会テーマ・事前課題

第2回(2019年度)本大会テーマ

「地域住民が川に親しくなるアイデアを考える」

みなさんは最近川に行きましたか? 誰と川に行き、川で何をしましたか?

 川のせせらぎを聴いたり川辺の自然を眺めたりしていると心がリフレッシュされる。川辺を舞台とする夏祭りやピクニックで地域のさまざまな人が交わり合う。川にはこのように地域の暮らしを豊かにする力が秘められています。例えば、静岡県の源兵衛川では、河道と近接する遊歩道を整備し、川の中に飛び石を配置するなど、親水性を高める様々な工夫が施されています。そして、その川は地域住民の憩いの場、地域の子どもたちの遊びの場として、地域住民の生活を豊かなものにしています。

 一方で、川は時に危険をはらむ場となります。例えば、昨年発生した西日本豪雨において、河川の氾濫により甚大な被害が発生したことは記憶に新しいと思います。また、川における水難事故のニュースは、みなさんも毎年のように耳にしているのではないでしょうか。近年は、気候変動の影響のため、災害の規模が大きくなってきていると言われています。このような災害や事故が起こるたびに、自助・共助と合わせて、川に関する様々な知識や情報を住民が普段から身につけておくことが、防災や水難事故の防止の観点から重要だとも言われています。

 以上のことから、川は恵みと危険の両面性を有することが分かります。そして身近な川について関心を持つこと、親しみを持つことは、川について知るきっかけとなり、地域の人々が川との関わりを持ち続ける第一歩となるでしょう。このことは、その川と地域の人々が調和した生活を送る上で欠かせません。この調和により、地域の人々の生活はより豊かな、より安全なものとなるのです。そこで2019年度大会では、高校生のみなさんの住む地域の人々が、ふとした時に地域の川を訪れたり、知ろうとしたりするようになる「地域住民が川に親しくなるアイデア」を考えていただきました。

第2回(2019年度)本大会事前課題

本大会ワークショップの事前課題として、本大会当日までに以下の2つの課題に取り組んでもらい、本大会ワークショップでの活動に活かしました。

地域の川を知る

地域住民が川に親しくなるアイデアを考えるためには、まずみなさん自身が対象とする川について深く知る必要があります。みなさんの住む地域を流れる川を1つ選び、以下の2つの作業を行いましょう。

  • 選んだ地域の川について、多面的な観点から情報を収集する

次に挙げる観点から地域の川について調査し、情報を集めてください。新たに観点を加えられるとなお良いです。出来るだけ多くの観点を網羅できるようにしてください。また、調査の際はインターネットや文献などによる調査に加え、実際に川を訪れたり、地域の人にインタビューしたりすると良いでしょう。収集した情報は本大会ワークショップ中に確認できるようにまとめてきてください。

=地理・自然環境=

・水質 ・生態系 ・上流や下流の特徴

=歴史・文化=

・川から見える景色 ・川に関する歴史 ・川の一日の中、あるいは四季折々の変化

=川と地域の関係性=

・川沿いに住む住民 ・川沿いにあるものや施設 ・現在の川と地域住民との関わり方

・水の使われ方

  • 選んだ地域の川を実際に訪れ、写真を撮る

選んだ地域の川の特徴を表す写真を現地で撮ってきてください。写真を撮る際には、生息する生物の写真などの狭いスケールから川の全景写真などの広いスケールまで、さまざまなスケールで川を捉えることを意識してみましょう。撮った写真は発表スライドに含められるよう、パソコンやUSBメモリなどの電子媒体の形で本大会当日に持参してください。

自分たちが親しんでいるもの・ことの事例を集める

本大会ワークショップでは、地域住民が川に親しむようになるアイデアを、みなさんが現在親しんでいるものやことを参考にして考えます。以下のような視点を参考に、親しんでいるものやことの事例を一人2〜3個収集しましょう。いま親しんでいるものに限らず、過去に自分が好きだったもの(おままごと、遊び等)でも構いません。

  • 好きな理由がはっきりとしているもの

例)ポケモン→自分の育てたポケモンが戦って勝つことの喜び(親のような感覚の喜び)

  • 好きで習慣化していること

例)部活後の炭酸飲料→部活で頑張った日にはいつも自分にちょっとしたご褒美をあげたくなる

  • 時間を気にせず夢中になってしまうもの

例)立ち読み→本と自分の世界に没頭する楽しさ